vol.10

　FW宮澤ひなたはどんな時も表情を変えない。勝利した試合でも、悔しい敗戦の後だとしても、常に冷静に現状を見極める。「FIFA女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド2023」の開幕まで2ヶ月を切った。後期はなかなか勝利に恵まれず、5月の監督交代と、チームでは個人でコントロールできない状況が続いた。しかし、どんなことにも抗わず、目標を見失うことなく、自分自身に集中した。「やるべきことは変わらない」。この強さが、彼女を世界の大舞台へと導いていくはずだ。

　S広島R戦では、自身のゴールという記録にはならなかったが思い切ったミドルシュートで勝利を引き寄せた。「次も難しい試合。残り2試合で順位はどうなるかわからないけれど、自分たちはピッチで表現するだけです。多くのサポーターの方がユアスタに来てくれることは大きな力になっています。去年より順位を上げたいし、残りの2試合を勝ち切って終わりたい」。ホーム最終戦、今度こそ「ただ今のゴールは、FW9宮澤ひなた選手の得点です！」ユアスタの空にそんなアナウンスが響くことを願う。