マッチデープレス vol.05

試合のみどころ Today's Highlights

前半戦ラストゲーム。
ホーム・ユアスタで、今季のマイナビ仙台の力を見せつける

 対戦相手からはこんな声が上がっているという。「今季のマイナビ仙台レディースは昨季とは違うチーム」と。多くの新加入選手を迎え、選手の顔ぶれは変わっているものの、前節の先発メンバーの内8人は、2024-25シーズンもマイナビ仙台に所属し、公式戦に出場している。既存の選手と新加入選手の力を絶妙に融合させ、昨季からの組織的なプレーに加えて、インテンシティーを高めて戦ってきたここまでの試合は、3勝5分2敗。順位は6位で、シーズン折り返しの試合を迎える。須永純監督は「本当に選手がよく頑張ってやってくれている。チームのやろうとすることを信じて、実行し続けてくれている」と選手たちを称える。勝利に恵まれなかった昨季の戦いを考えると、上々の前半戦と言えそうだが、目標とする「3位以上」に食い込んでいくためには、選手たちの更なる奮起が必要。時にトレーニングで厳しい檄を飛ばす須永監督の言葉を選手たちはまっすぐ受け止め、食らいついていく。

 6戦負けなしで迎えた前節・INAC神戸レオネッサ戦は、セットプレーとショートカウンターから2失点を喫し、最後まで相手のプレスに苦しんだ。しかし、今季初出場となったキャプテン清水栞選手が「今までは連続失点してしまうと下に行きがちだったけれど、本当にみんなが前を向いて点を取り返そうという気持ちを出していた」と話す通り、全員が集中して守り、強度の高いプレーを最後まで続けた。今季のマイナビは敗れても大崩れはしない。高い規律とひたむきに勝ち点をつかもうとする姿勢を示した。
 今節の対戦相手は2位の日テレ・東京ヴェルディベレーザだ。前節まで2試合連続引き分けと勝ちきれない試合が続いているが、昨季の女王の実力は確かだ。前節大宮戦では今季浦和から加入した猶本光選手が東京NBの選手として初出場を果たすなどポジティブなニュースも多い。昨季までの6シーズン仙台に所属した隅田凜選手も中盤で存在感を放っている。長く仙台を支えてくれた彼女とのユアスタでの対戦を心待ちにしているかつてのチームメートも少なくない。

 前半戦最後の試合となるこの一戦。「今後自分たちが上位に食い込んでいくという中で、本当に負けてはいけない相手」(清水栞選手)
「東京NBという強いチームに対し、自分たちのサッカーを出して勝利できれば、もっともっと自信になっていくと思う。レベルが高い相手だということは分かっているからこそ、リスペクトし過ぎず全力で戦う」(江崎世来選手)と、選手それぞれが強い気持ちで向かっていく。後半戦への勢いをつける勝利をホーム・ユアスタでつかみ取りたい。今季の彼女たちならそれができるはずだ。