マッチデープレス vol.03

試合のみどころ Today's Highlights

いざ3連勝へ。
攻守に自分たちらしさを発揮して
勝利をつかもう

 この勢いは止められない。マイナビ仙台レディースは第4節・アルビレックス新潟レディース戦で今季初勝利を飾ると、続く第5節・三菱重工浦和レッズレディース戦では2-1の勝利で、2022-23シーズン以来、4季ぶりの連勝をつかみ取った。順位は5位に浮上している。
 前半4分に矢形海優選手のシュートがポストに弾かれると、長い距離を走ってゴール前に詰めた江崎世来選手が押し込んで先制に成功した。今季無敗、無失点の浦和相手のゴールにホームスタジアムは沸きに沸いた。この日のマイナビ仙台は相手にボールを握られながらも、守備で体を張って決定機を作らせない。すると前半39分、再びチャンスが訪れる。左サイドから石坂咲樹選手のクロスを、ゴール前で津田愛乃音選手がヒールですらすと、矢形選手がマークを背負いながら飛び込み、右足を伸ばした。ボールは最後に相手に当たってオウンゴールの判定となったが、矢形選手の思い切りの良さと持ち前の泥臭さが追加点を生み出した。後半は1失点を喫したが、全員で逃げ切り、歴史的な「浦和戦初勝利」となった。
 後半、相手の猛攻に耐え、つかみ取った勝ち点3にも須永純監督は手応えを感じていた。粘りを見せることができた要因について「戦術が浸透している中で、選手が信じて実行してくれていること。疑うことなく、エゴを出すことなく、チームでやるべきことを徹底してくれています。またインテンシティー高くプレーできていること。昨季は潰されてしまっていたところで、しっかり跳ね返し、ボールを止めることができている」。浦和の選手たちにバトルでも一歩も引くことなく勇敢に戦い抜いた。

 記録としては「幻のゴール」になってしまった矢形選手だが、焦らず前へ進む。「自分らしさ、泥臭さやどん欲さを出せたからこそ奪えたゴール。次も狙っていきます。S広島Rも強い相手ですが、自分たちにも若さがある。この勢いに乗ってまた勝ち切りたい」と意欲を見せている。
 今節対戦するサンフレッチェ広島レジーナは、開幕から2勝1分1敗で現在6位。前節はRB大宮アルディージャWOMENとの打ち合いに3-4で敗れている。後半にシュート数を伸ばし、終了間際に嶋田華選手の2ゴールで追い上げるが、一歩及ばず勝ち点を獲得することはできなかった。今季はJ2愛媛FC、愛媛FCレディースで長く指導経験を持つ赤井秀一氏が監督に就任。得点力アップに取り組み、攻守にボールを握ってゴールに迫る回数を増やしている。上野真美選手ら得点力の高い前線の選手たちには注意が必要だ。

 開幕から仙台のゴールを守るGK横堀美優選手は落ち着いて戦況を見極め、リーグ屈指の得点力を誇る浦和相手にチームを救うビッグセーブを見せた。「自分たちがリードしていたこともあり、相手の圧にも落ち着いてプレーすることができました。浦和に勝利できて言葉にならないほど嬉しかったですが、1失点してしまっている」と後半の1シーンを悔やむ。開幕からクリーンシートは3試合。「S広島Rは良い相手ですが、失点0にはこだわり続けたい」と強い気持ちでS広島Rを迎え撃つ。気を引き締め、自分と仲間を信じて3連勝へ向かう。ホームのサポーターと共に喜び合える時間を目指して、全員で勝ち点3をつかみ取ろう。