厳しい戦いが続く中にも、自分たちができていることに目を向ける。マイナビ仙台レディースは、前節アウェーの千葉L戦で0-0と連敗を止め、勝ち点1を手にした。課題となっていたセットプレーの守備ではそれぞれが役割を整理して取り組んだ。90分を通して体を張り、集中力高く守り切った。「続けていくこと、自信を持ってやっていくことが選手にとって大事」と須永純監督は選手たちに語りかける。未だ最下位という順位は変わらないが、積み重ねていることを信じ、次の試合へ向かっていきたい。
今節の対戦相手はWEリーグ3連覇を狙う三菱重工浦和レッズレディース。現在首位の東京NBとは勝ち点差1で2位につける。先月、2連覇を達成した楠瀬直木監督との契約を解除し、強化担当でJリーグでの指導経験も豊富な堀隆史監督の就任を発表した。堀監督就任後も3勝1分けと順調に勝ち点を積み重ねているが、3位には勝ち点2差でI神戸が迫る。3連覇のために残り4試合すべてに対し強い覚悟を示してくるはずだ。警戒すべきはFW高橋はな選手。これまで主にセンターバックとして活躍してきたが、今季FWのポジションで出場すると高い得点感覚を示し、現在6ゴールで得点ランキング4位タイという成績を上げている。鋭い得点への嗅覚、どんな体勢からも放ってくる強烈なシュートには注意が必要だ。
今月フル代表デビューを飾った佐々木里緒選手は「千葉Lを失点0で抑えることができたのは、新潟L戦の大量失点があったから。全員が意識を高めてトレーニングに取り組むことができた。浦和相手でも維持していきたい」と意気込む。代表で共に戦った仲間も所属する。「浦和はみんながキーマン。パワーを持ってくる相手を押し返せるように守っていきたい」。20歳のDFは勝利への意欲に燃えている。マイナビ仙台レディース今季のホームゲームは浦和戦も含めて残り2試合。どんなに強力な相手でも、たとえ苦しい時間が長くなろうとも、石巻に集結するサポーターへ歓喜の瞬間を届けるため、チームに関わる全員が勝利へ挑み続ける。