マッチデープレス vol.02

注目選手インタビュー
Next STAR Interview

30 MF 佐々木美和 SASAKI Miwa

 仙台市出身のサッカー少女・佐々木美和選手が通った当時の「仙台スタジアム」は彼女にとって夢の空間だった。「岩本輝雄さんのものすごいFKも目の前で見ています」。2003年10月のベガルタ仙台対ジェフ千葉の試合、目の前で繰り広げられた40mにも及ぶ「伝説の直接FK」は8歳の心に強いインパクトを残した。「マルコス選手のヘディングや佐藤寿人選手がゴールを決めてCKフラッグをつかむパフォーマンスも見ていますよ。格好良いなって思っていました」。ホームでの熱狂ゴールは幼い心に火をつけた。「いつか、私もここで決める」。

 プロサッカー選手、29歳になった佐々木選手は子どもの頃から憧れの舞台で、初めてゴールを決めた。やはりジェフ千葉戦だった。「ここでのゴールは人生の目標でもありました」。実はそれほど得意ではなかったヘディング。しかし、信じて飛び込むと願いが届いた。頭を振った先に、ゴールネットが揺れていた。「決めた時にサポーターの皆さんが一体となって喜んでくれているということを実感しました。こういう経験をもっともっと分かち合えたらいいなと思いました」。勝利をつかむことはできなかったけれど、強く心に残る一日となった。「連戦で厳しい中でも1試合ずつ得るものはある。しっかりと積み重ねながら、成長して勝ち点3取っていきたい」。あの日、スタジアムで芽生えた夢はしっかりと根付き、時間をかけて花を咲かせた。この歓喜の瞬間を何度でも味わうべく、佐々木美和はユアスタで勝利のゴールを求め続ける。