遂に「WEリーグ最年少ゴール記録」が更新された。第2節・S広島R戦、ゴールを決めたのは後半から出場したマイナビ仙台レディースユース所属でTOPチームでも活躍している津田愛乃音選手だ。「16歳10か月13日」、若き才能がピッチで輝いた。アシストは同じくユースの菊地花奈選手で、開幕戦に続く思い切りの良いクロスでのアシストだった。
開幕から白星に恵まれないマイナビ仙台レディース。前線からDFラインまでけが人が続き、早くもチームは「総力戦」を求められている。須永純監督は苦しい台所事情ながらも「状態の良い選手を起用し、今の自分たちがベストを尽くせる方法」と現段階での“最適解”を模索している。「彼女たちのタレント性に秀でたものがあり、今いる選手の中でも力を出せている」と須永監督が評価する津田、菊地の“高校2年生のユースコンビ”は、早速結果を出して見せた。「自分でゴールを決めて、チームの流れを変えたい」(津田)「緊張していた中でも、自分のドリブルやスピードは通用するとわかった」(菊地)と、プロの中でも存在感を発揮するU-17女子日本代表コンビは、試合ごとに自信を確かなものにしている。
今節迎えるI神戸は、前節アウェーで昨季の女王・浦和Lを1-0で下した。守屋都弥選手のクロスに、2度の大きなけがから復活した水野蕗奈選手が頭で合わせ、WEリーグ初ゴールをあげた。チームの心を一つにする大きな結果を持ってユアスタに乗り込んでくる。縦横無尽に動き回る成宮唯選手も健在。今季もマイナビを苦しめるプレーを繰り広げるはずだ。
そんな手強い相手に対して、頼りになるのはDFリーダー長船加奈選手の存在だ。キャプテンの國武愛美選手も「フネさんはどんな時も声をかけてくれるし、周りに良い影響を与えてくれる」と全幅の信頼を寄せている。浦和で優勝を経験し、大きなけがも乗り越えて、10年ぶりに帰ってきた仙台のピッチに立ち続けている長船選手。「上手くいかないことがあっても前を向いていく。マイナビはこれからのチーム。みんなで成長していくシーズンにする」。若いチームが彼女から多くのことを吸収し、どんなチャレンジをしていけるか。ここからが楽しみなシーズンだ。目の前の相手を恐れることなく、勝ち点3を目指していこう。