マッチデープログラム vol.03

試合のみどころ Today's Highlights

WEリーグカップ最終節。
ユアスタに帰ってきた“新戦力”にも大きな期待

 WEリーグカップのグループステージは早くも最終節を迎えた。ここまで勝利がないマイナビ仙台レディースは、苦しみながらも、チームに関わる誰もが仲間を信じて、必死に戦ってきた。最後こそ勝利をあげて、11月のWEリーグ開幕戦へと弾みをつけたい。

 現在チームの指揮を執る佐々木勇人コーチは、「まだフィジカルで足りないところを感じているし、戦う意識も上げていきたい。ボールに対してどう執着し、相手に対していかに向かっていくかということに重点的に取り組んでいる」とチームの現状を語る。リーグ戦へ向け、一人一人のレベルアップは急務。そして、まず一勝をつかむことで、自信も取り戻したい。「ここまで負けているが意地を見せたいし、プロとして負けて良い試合はない。応援してくれる人、見に来てくれる人がいる限り、勝利は必要。次こそ勝ってリーグ戦へいい準備をしていきたい」。JリーガーとしてACL優勝など豊富な経験を誇る佐々木コーチは勝負にこだわり、選手たちと同じ方向を向いてチャレンジし続ける。

 カップ戦の期間にけが人が増え、試合のメンバー構成にも苦慮していたマイナビ仙台だが、最終節ノジマステラ神奈川相模原戦を前に朗報がもたらされた。「佐々木美和選手 加入のお知らせ」である。仙台市出身、常盤木学園高等学校を卒業した佐々木選手は、2014年に当時のベガルタ仙台レディースに加入し5シーズンを過ごした。N相模原を経由して、オーストラリアのベイサイドユナイテッドFCでプレー。サイドチェンジや鋭い動き出し、戦う姿勢は更に磨かれている。「年齢的にも経験してきたことを還元していかなければいけない。周りに伝えていければいい。マイナビには若い選手も多いのでこれから強くなっていくチームだと思う」。オーストラリアでは、現地の選手からたくさんの思いやりを受け取った。その体験から「困っていたら一番に助けたい」と仙台でプレーする外国籍選手の気持ちにも寄り添う。「練習からチームを盛り上げていきたいし、背中で引っ張っていけたら」。28歳になったサイドアタッカーは、たくましくなって地元に帰還した。奇しくも復帰初戦は1月までプレーしたN相模原戦。帰ってきた佐々木美和と共に、今季初勝利へ。